新学術領域研究「高温高圧中性子実験で拓く地球の物質科学」 
(2008年11月13日~2013年3月31日,領域代表:八 木健彦) [English]

計画研究「高圧下における含水鉱物、マグマ、水の量子シミュレーション」(計算班)


メンバー
研究目的
研究計画
論文
リンク
新 学術領域公式ホームページ
J-PARC:: 超 高圧中性子回折装置(PLANET)  服部高典  佐野亜沙美 小 松一生
Water Workshop @ RIKEN.jp (Oct. 11, 2011)
Water Workshop @IAMS.tw (Oct. 13-16, 2011)




計算班メ ンバー(50 音順)
飯高敏晃(研 究代表者;理化学研究所基幹研
研究統括   (資料:「ガスハイドレートと地球惑星科学(動画付)」,
                              「世 界最小のマグマをスパコンのなかに創る」 )
池田隆司(研究分担者;日本原子力研究開発機構量子シミュレーション研究グループ
水の量子シミュレーション CPMD  (資料:高 圧水の第一原理計算
                                                                     高 圧水の第一原理計算
土屋 旬(研究分担者;愛媛大学上 級研究員センター
含水鉱物の量子シミュレーション  Quantum-Espresso 
(資料:高 圧下における蛇紋石の弾性軟化
    高圧下における蛇紋石の弾性軟化
星 健夫(研究分担者;鳥取大学応用数理工学科
多結晶ナノダイアモンドの量子シミュレーション ELSES (資料:多 結晶ナノダイヤモンドの量子分子動力学
宮崎 剛(連携 研究者;物質・材料研究機構理論計算科学ユニット
マグマの量子シミュレーション Conquest
圓 谷貴夫(連携研究者;理化学研究所・加藤分子物性研究室)
分子性結晶の高圧物性
公募班(山本班)「第一原理計算による地球マントル物 質に及ぼすプロトン存在の影響に関する研究
山本知之(研究代表者:早稲田大学基幹理工学部 ) ニュー ズレターより
公募班(長柄班)「水素化物および水の超高圧縮相と金 属転移:GW近似計算
長柄 一誠(研究代表者:鳥取大学工学部) ニュー ズレターより
石 河孝洋(研究協力者:大阪大学極限量子科学研究センター)

メンバーによる成果
論文
[2014]
[2013]
[2012] 
[2011]
[2010]
[2009]
その他
メンバーに関する記事
研究目的   ( HOME (English with subtitles) )

水素は次世代エネルギーとして注目されているのみならず、地球形成史に大きく関わってきた重要元素である。原始地球の形成過程においては、地球の表面が高 温の溶融状態(マグマオーシャン)になり大量の水(水素)を貯蔵し水圏の形成に大きな役割を果たした可能性がある。現在の地球においては、水素は水 (H2O)や含水鉱物(OH基)などの化合物、あるいは無水鉱物やマグマに侵入した不純物として存在する。水(水素)の存在は鉱物やマグマの構造や融点・ 粘性・反応性などの物性に大きな影響を与えるので、そのメカニズムの原子レベルでの理解は地球形成史、地球深部ダイナミクスや火山噴火の解明に本質的な役 割を果たすが、X線回折実験では水素の直接観測は困難であった。そこで本新学術領域研究(領域代表:八木健彦)では東海村J-PARCの次世代大強度パルス中性子源に高温高圧実験用ビームラインを建設し、地殻か ら下部マントル最上部相当の高温高圧下におけるマグマ、鉱物中の水素(水)の役割を解明しようとしている。

本計画研究では、最先端の量子シミュレーションを駆使することにより、地表環境から高温高圧領域までの鉱物、マグマ、水の構造と物性に対する水素や水素結 合の影響、及び高圧力下での中性子散乱実験を発展させる新素材「多結晶ナノダイアモンド」の物性を明らかにすることを研究目的とする。本計画研究の成果 は、実験の指針を探り実験結果を包括的理論的に理解するとう点において本領域実験各班 の遂行に大きく貢献すると期待される。

本計画研究のメンバーは、定温定圧第一原理 分子動力学法、第一原理線形応答理論、第一原理経路積分分子動力学法、オーダーN第一原理分子動力学法、オーダーN tight binding 分子動力学法、遺伝アルゴリズムによる第一原理結晶構造予測法など、本研究に必要な最先端の量子シミュレーション手法の実行環境を既に開発し利用して、鉱 物・高圧・材料などの物質科学分野で目覚しい成果を上げている。我々は、中性子散乱を用いる実験家と連携して水素含有地球物質の量子シミュレーションを強 力に推進することにより、地球を探る計算物質科学・地球に学ぶ計算物質科学の分野を切り開いていきたいと熱望している。

研究計画

これまで本計画研究のメンバーが開発してきた最先端の量子シミュレーション手法を展開し、高温高圧力下での鉱物、マグマ、水の構造と物性の変化の解明を目 指した計算物質科学を強力に推進する。
特に平成20年度には本計画の計算を実行するPCクラスターを導入し、各種量子シミュレーションプログラムをインストール・調整し、5年間に渡る計画研究 のための基盤を立ち上げる。

平成20年度から平成22年度にかけての高温高圧中性子散乱ビームラインが稼動するまでの期間には、上記PCクラスターを駆使し、本研究領域のターゲット である鉱物、マグマ、水、多結晶ナノダイアモンドの高圧物性に関する量子シミュレーションによる研究を積極的に行なう。ここで得られる研究成果は、本領域 研究の実験班の重要な研究指針となるに違いない。具体的には、①高圧安定含水相探索、水素位置の精密決定、物性予測 ②高圧下でのマグマの構造、溶融関 係、物性の予測 ③高圧下 の水の液体構造と物性の解明 についての研究を行う。さらに上記3研究に加え、次世代アンビルの素材として期待される多結晶ナノダイアモンドの塑性変形機 構等の解明にも研究を発展させる。

平成23年度と平成24年度には高温高圧中性子散乱ビームラインが稼動する計画なので、それまでに得られた研究の成果を 実験班と共有するとともに、これと並行して実験班の研究成果を本計画研究にフィードバックすることにより、上記研究のさらなる展開を図る。


リンク
学 術創成研究 強力パルス中性子源を活用した超高圧物質科学の開拓
J-PARC|大強度 陽子加速器施設
J-PARC News
日 本高圧力学会
AIRAPT22
日本地球惑星科学連合大会 K213中性子散乱による地球惑星科学の新 展開
(株)日本中性子光学
HaRiken09  Harvard-Riken Joint Symposium: Application of GPU Computation to Brain Science, Quantum Science, Astronomy, Fluid Dynamics and other sciences
服部高典  (J-PARC)