next up previous contents
Next: 3 研究成果 Up: Particle Source Methods Previous: 1 研究目的・内容

2 研究方法・計算方法

近年、高性能計算機の発達とともに 時間依存シュレーディンガー方程式の数値解法が 重要になってきているが、 ルンゲ・クッタ法で解こうとすると数値解が発散することが 数値計算上の障害となっている。 そこで、我々は時間依存シュレーディンガー方程式の 安定な数値解法を研究してきた。 その成果として 条件付き安定な数値解法である Symmetric Multistep 法を提唱して、 数値解の安定条件を詳細に明らかにしてきた[8]。

Symmetric Multistep 法の最も簡単な例である 「蛙跳び法」では、ハミルトニアン行列の最大(最小)固有値と 時間ステップ との積の絶対値 が 1より小さい場合は波動関数の時間発展を 安定に計算できるので、本研究で実時間グリーン関数を求める際には「蛙跳び法」を 安定条件 のもとで用いる。 一方、無次元化した時間ステップ が1を越えると 「蛙跳び法」の数値解は指数関数的に発散する。 この発散解は、シュレーディンガー方程式を解く際には邪魔になるものであるが、 本研究ではこの発散を積極的に活用して 大規模エルミート行列の固有値固有ベクトル問 題を効率的に解くことを試みる。



next up previous contents
Next: 3 研究成果 Up: Particle Source Methods Previous: 1 研究目的・内容



Toshiaki Iitaka
1996年07月23日 (火) 11時51分49秒 JST