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物理学演習B(第10回) 1991年7月9日 (飯高)

(角運動量:JJ3.5節)

角運動量を無限小回転の生成演算子として定義すると、 はつぎの 角運動量の基本的交換関係を満た す。 [JJ3.1節参照]

  1. 新しい演算子

    で定義すると

    となることを示せ。

    この交換関係から、との同時固有ケットが存在する。

  2. さらに はしご演算子,

    で定義する。つぎの交換関係を証明せよ。

  3. つぎの式を証明せよ。

    このことから、

    となることがわかる。ただし、は規格化定数で ある。

  4. ある決まったの固有値aにたい して、 の固有値bがとれる値にはという制限があることを, つぎの式を証明することによって示せ。

  5. したがって、固有値bには最大値が あって

    となることを示せ。また、

    となることを示せ。

  6. 前問と同様にして、固有値bには最小値があって

    となることを示せ。

  7. 以上のことから、

    となることを説明せよ。

  8. bの代わりに、

    という量子数を導入する。jは整数か半整数かである。jが整数のときは mはすべて整数であり、jが半整数のときはmはすべて半整数である。

    次の式を導け。

  9. はしご演算子に関するつぎの式を導け。

(軌道角運動量:JJ3.6節)

軌道角運動量演算子

で定義され、 極座標では

    

と表される。

また、の同時固有関数

として 球面調和関数 が定義される。

球面調和関数は、つぎの直交規格化条件

および完備性

を満たす。

  1. 角運動量の基本的交換関係

    を満たすことを確かめよ。

  2. 球面調和関数の満たすべき連立偏微分方程式を求めよ。 また、依存性がの ようであることを 示せ。

  3. の具体形をm=lの場合に求 める。

    より、

    を導け。ただしは規格化定数で

    である。

  4. 一般のmの場合は、はしご演算子の関係式

    を用いて求められる。 l=0,1の場合についてすべての球面調和関数を求めよ。

  5. [数学]式(4)−式(7)を証明せよ。

  6. [数学]一般の球面調和関数がつぎのように表せることを示せ。

    のとき、

    m<0のとき、



Toshiaki Iitaka
1996年07月25日 (木) 20時44分21秒 JST