next up previous contents
Next: 物理学演習B(第12回) 1991年9月24日 (飯高・八柳) Up: Problems Previous: 物理学演習B(第10回) 1991年7月9日 (飯高)
VISIT MY BOOKSHELF
http://www.iitaka.org/


物理学演習B(第11回) 1991年9月17日 (飯高) (時間発展:JJ2.1節)

問1 一個の電子が、z-軸の正方向の強さBの一様な定常的磁場中にあると する。この電子はt=0で、固有値を持つの 固有状態にあった。ここで、は単位ベクトルで、xz-平面内 にあり z-軸との角度をなしている。

  1. 電子をの状態に見いだす確率を時間の関数とし て求めよ。
  2. の期待値を時間の関数として求めよ。
  3. 確認のために極端な場合、(i)、および (ii)に物理的に意味のある答えになっていることを 示せ。

問2 一個の粒子を入れた箱が、薄い隔壁で左右の部屋に分かれている。粒子が 確実に右(または左)側にいることが分かっているとき、状態を位置固有ケット (または)で表すことにする。ここで粒子が半分の 箱の中のどこにいるかは問題にしない。このときもっとも一般的な状態ベクトルは

のように表される。は ”波動関数”とみなすことができる。粒子は隔壁を通ってトンネル運動することが できるとし、このトンネル効果をハミルトニアン

で記述する。ここではエネルギーの次元を持った実数で ある。

  1. 規格化されたエネルギー固有ケットを見いだせ。対応するエネルギー固有値は いくらか。
  2. 系がt=0で上述のエネルギー固有ケットによって表されていたとする。 に適当な時間発展演算子をかけることにより、 t>0に対して状態ベクトルを 見いだせ。

  3. t=0で粒子が確かに右にいたとせよ。粒子を左側で観測する確率は、 時間の関数としてどうなるか。
  4. 波動関数および に対する連立シュレーディンガー方程式を 書け。この連立シュレーディンガー方程式の解は、(2)から求められるものと 同じであることを示せ。
  5. 印刷屋がミスをしてH

    と書いたとしよう。このハミルトニアンで時間的発展をする問題を もっとも一般的にとき、確率の保存が破られていることを示せ。



Toshiaki Iitaka
1996年07月25日 (木) 20時44分21秒 JST