問18 1次元 調和振動子 の コヒーレント状態 は、(非エルミート的な) 消滅演算子 の固有状態として定義される:
ここでは一般に複素数である。
の形に書け。のに関する分布が、ポアソン型であることを示せ。 を最大にするの値、したがっての値 を見出せ。
と示される。また、コヒーレント状態であることが、 ベーカー・ハウスドルフの補助定理 を用いて
と示される。
であり、運動量のゆらぎは
となるので、コヒーレント状態は、最小不確定 関係
を満たす。 波束の図
となるので、
を得る。したがって、 の に関するポアッソン型分布
を得る。 ここで両辺の対数をとると
となる。したがって、不等式
すなわち
を満たす限り、は増加関数
となるので、がを越えない最大の整数のとき が最大値をとる。したがって、を最大にするの値 およびの値は、 ガウスの記号 を使って
と表される。
に消滅演算子を作用させると
となる。したがって、状態は、固有値
を持つコヒーレント状態である。ただし、上の計算で ベーカー・ハウスドルフの補助定理 と交換関係
および調和振動子の基底状態の性質を使った。
以上のことから、問11でも扱った、振動する古典的調和振動子に対応する状態 はコヒーレント状態であることが分かる。