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物理学演習B (第1回) 1991年5月7日 (飯高) スピン演算子

  1. スピン演算子は、の規格化した固有ベクトル|+>|->を 用いて、

    と表される。[eq.(1.4.18)]

    1. |+>|->を基底ケットとして、の行列表示を求めよ。
    2. の固有値、固有ケットを求めよ。その状 態でを 測定すると結果はどうなるか。
    3. 次の等式が成立することを示せ。

    4. 任意のスピン状態について、を測定すると という値が得られることを示せ。この結果を物理 的に 解釈せよ。
    5. の反交換関係、

      および、角運動量演算子の交換関係

      を証明せよ。

  2. 極座標で向きの単位ベクトルをとする。 スピンの方向に対する演算子に対する固有値、 固有ケットをもとめよ。

物理学演習B (第1回)

1991年5月7日 (飯高)
スピン演算子[応用問題]

  1. Z方向を向いた一様な磁場中に ある 電子(陽子)のハミルトニアンは、

    と書ける。はボーア磁子、である。 陽子の場合は、 に、に置き 換えればよい。

    1. これらの系のエネルギー固有値と固有ケットを求めよ。
    2. 磁束密度をかけたとき、 電磁波を吸収させて電子(陽子)のスピンを 反転させて、基底状態(エネルギーの低い状態) から励起状態に励起させる。このときに必要な電磁波 の周波数を求めよ。
    3. 電子スピン共鳴(ESR)、核磁気共鳴(NMR)について解説せよ。

  2. 2個のスピンの粒子の全スピン角運動量を考え る。 基底ケットととして各粒子に対するスピン演算子の 同時固有ケット

     

    を使うことにする。

    1. の行列表現を 求めよ。
    2. 全スピン角運動量について、角運動量の 交換関係

      および

      を証明せよ。

    3. 式(8)の基底ケットが、の固有ケットに成っていることを確かめよ。 についてはどうか。
    4. の行列表現を求め、の固有値を求めよ。
    5. の同時固有ケットを求めよ。
    6. 水素原子のスペクトルの超微細構造について解説せよ。
      [参考:The Feynman Lectures on Physics Vol.3 Chap.12]



Toshiaki Iitaka
1996年07月25日 (木) 20時44分21秒 JST