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物理学演習B(第24回) 1991年12月10日 (飯高) (時間に依存した摂動論)

第1部:ダイソン級数

【1】 相互作用表示での時間発展演算子

 

と定義する。 相互作用表示の状態ケットの時間発展に対する微分方程式は

で表されることを用いて、時間発展演算子に対する微分方程式

 

を導け。

【2】 初期条件

を用いて微分方程式(2)の両辺を積分することにより、 に対する積分方程式

 

を導け。

【3】 方程式(3)の解は、逐次近似により、 ダイソン級数

 

の形に書けることを示せ。

摂動は演算子であるから、 一般に異なる時間の摂動演算子は交換不可能である こと、すなわち に注意せよ。

【4】 (発展問題)  異なる時間の摂動演算子が交換可能である特別な場合 、すなわち のとき、ダイソン級数は足し合わせることができて

となることを示せ。

第2部:遷移確率

【5】 相互作用表示での時間発展演算子の定義(1) より、

と表せることを示せ。ただし、はシュレーディンガー表 示での 時間発展演算子である。

【6】 時刻のエネルギー固有状態にあった系が、 時刻tのエネルギー固有状態に 遷移する確率は、シュレーディンガー表示では で与えられる(JJ2章参照)。相互作用表示でも

で与えられることを示せ。

【7】 位相を適当に選んで、 となるようにする。相互作用表示による時刻tの ケットは

と書けることを導け。

【8】 係数を摂動で展開すれば、

となることを示せ。

【9】 1次元調和振動子が、t<0で基底状態にあった。でこの系に 時間依存性はあるが空間的には一様な力(ポテンシャルではない)

が、x方向にかかった。 時間を含む1次の摂動論を用い、t>0で振動子が第1励起状態に 見いだされる確率を求めよ。は有限)の極限で、 この結果は時間に依らないことを示せ。これはもっともな結果か、意外な結果か。

を用いるとよい。]



Toshiaki Iitaka
1996年07月25日 (木) 20時44分21秒 JST