による散乱を考える。
のように非常に大きいとする。
[解答]
を解いて位相のずれを求めよう。
ここでは動径方向の波動関数
を使って
と定義され境界条件
を満たす。
領域と
の解は、容易にもとまって
と書ける。ただし、位相のずれを、殻の内側の
振幅を
とおいた。この2つの定数は、
での波動関数の接続条件
によって決められる。式(36)は、式(32)をの
周りの微小区間で積分して得られる。
式(33,34)
を
式(35,36)
に代入すると、
から、
を得る。
したがって、位相のずれは、の増加に対して
なめらかに変化する背景散乱による位相のずれ
と
共鳴的な振る舞いを表す位相のずれ
の和
で与えられる。が共鳴の前後で
だけ変化することに注意せよ。
となる。 よって、
となって、s波の位相のずれは剛体球の結果
と似ている。
問6(a)の結果および教科書の式(7.6.44)を参照せよ。
となる。分母は常に負であり、である
から、
のとき
が正の側からゼロを通過し、共鳴的な振舞い
が起こる。
によって与えられる。これは、球面の内側に閉じ込められた粒子の状態の
エネルギー
とほぼ一致する。
また、条件(42)が成り立つとき、式(39)より、 粒子が共鳴して殻の内側に一時的に閉じこめられる振幅が非常に大きくなる ことがわかる。
を得る。が大きくなると、共鳴幅
は
に比例して
小さくなり、共鳴が鋭くなる。